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研修・見学の案内

平成28年度-2016年度後期内科研修プログラム

神経内科

 神経内科は、昭和50年に標榜診療科として認可されて以来5000名を超す神経内科専門医が誕生し、全国で活躍しています。神経疾患の診療を受け持つスペシャリストを標榜する我々は、神経という「臓器のみを診る医師」ではなく、神経系の症状で悩みを持つ広い範囲の方々を診療の対象としています。このため、常に幅広い内科の知識、技能を向上させるべく行動する内科医であることを土台として、その上に更にスペシャリストとしての神経内科学の専門知識・技能を身につけて、社会に貢献できる医師となることが求められています。内科専修生の期間には、しっかり患者を診て、日々のプレゼンテーションと上級医からの質疑、助言を受ける中で、内科的思考過程を鍛錬することが大切です。この、問診と聴診器やハンマーを用いた「素手で戦える」神経内科の能力を向上させることは、その後の神経内科専門医の技能習得はもちろん、一般内科医としての力量を引き上げる上でも極めて重要です。

A.将来神経内科以外の専門医を目指す内科専修生の研修
一般目標(GIO)
  1. 1)診療を通して、内科学的診断・治療のアプローチを身につける。
  2. 2)頻度の多い神経疾患、神経救急疾患を経験し、その診断治療の初期対応を習得する。
  3. 3)神経難病や障害のある患者の医療を通して、コメディカルと協力して行う多職種医療を経験し、人間的、心理的、社会的側面を全人的にとらえ、適切に解決する能力を身につける。
  4. 4)医療安全、倫理、個人情報保護の概念、医療経済について必要な知識を習得する。
神経内科
神経内科
神経内科
行動目標(SBOs)

SBO 1

  1. 1)神経疾患患者を受け持ち、カンファレンス等でプレゼンテーションする能力を習得する。
  2. 2)神経学的所見をとり、これを正確に記載することができる。
  3. 3)病歴、神経学的所見から病巣、病態を特定していく局所診断学の技術を習得する。
  4. 4)病歴、身体所見からPloblem listを挙げ、これらの評価をもとに検査計画を立てて実行し、上級医の指導、第三者の評価、を真摯に考察し、自己の思考過程を修正していく過程を通じて、思考力、判断力を培っていく態度を身に着ける。
  5. 5)神経疾患に頻用される補助診断(神経生理、神経放射線、神経超音波など)、各種神経学的検査結果の意味を理解し、診断治療に反映出来る。
  6. 6)文献検索結果を自らの思考過程に反映する方法を身に着ける。

SBO 2

1)脳血管障害

  • 脳血管障害の病型分類を述べ、治療法を述べることができる。
  • 超急性期血栓溶解療法を経験し、一般医としての初期対応を行うことができる。
  • 意識障害患者の評価をGCSやJapan coma scaleで評価できる。
  • 脳卒中患者の評価を、 NIH stroke scaleやmodified Rankin scaleで評価できる。
  • リハビリテーションの適応、ゴール設定、厳重なリスク管理による早期リハビリテーションの方法が理解できる。

頸動脈エコー検査

神経内科

2)パーキンソン病、パーキンソン病関連疾患

  • 自ら診察し、神経学的特徴を体得して、臨床診断することができる。
  • 治療法を概説できる。
  • UPDRSの評価を経験する。

3)機能性神経疾患

  • てんかん、頭痛、振戦などの機能性疾患を経験し、ガイドラインに準拠した診断治療を概説できる。
  • けいれん性疾患の初期対応ができる。

4)脳炎、髄膜炎

  • 診療ガイドラインに従った診断、治療の流れを概説できる。
  • 髄液検査の意義を述べることができる。
  • 辺縁系脳炎について概説できる。

5)免疫介在性神経疾患、稀な神経難病、遺伝性疾患

  • ギランバレー症候群、CIDPなどの免疫介在性神経疾患を経験し、病態を理解する。
  • 重症筋無力症、多発性硬化症、NMO、ALSなどを回診や病棟カンファレンスを通じて学び、疾患概念を概説できる。

SBO 3 障害を持つ人、神経難病患者の全人的医療

  • ALS、終末期変性疾患、重症脳血管障害患者などを自ら受け持ち、患者と家族の心理的、社会的側面を全人的にとらえ、コメディカルと協調、協力して適切なチーム医療を実践できる。
  • 神経学的障害をもった患者の介護・管理上の要点を理解し、在宅医療を含めた社会復帰の計画を立案し、必要な書類を記載出来る。
  • 障害を持つ人の診療を通じて、医療経済・保険制度の概要を理解する。
B. 将来神経内科専門医を目指す内科専修生のための研修

研修は、日本神経学会卒後が示した「神経内科卒後研修到達目標」に準拠して行われます(http://www.neurology-jp.org/senmon-seido/sotsugo.html)。すべての内科疾患において神経症状が生ずるといっても過言ではありません。内科専修生の期間にできるだけ多くの臓器別疾患にあたっておくことも、将来の神経内科専門医としての幅を広げるものであり、内科学的思考過程を学びとっておくことが重要です。内科専修生2年間においてどのようなローテーションを行うかについては、個々の医師の希望する将来像にあわせてアドバイスしますので、入局が確定次第教授、医局長などと打ち合わせてください。

後期臨床研修期間に修得すべき技能として、1)神経学的診察による局在診断技術、2)脳脊髄のCT、MRI読影、3)脳SPECT検査の意義と読影、4)頚動脈エコー検査、経食道心エコー検査、下肢静脈エコー検査を含む神経超音波検査の実地手技、5)選択的脳血管撮影(助手レベル)、6)脳波検査の意義と判読技術、7)神経伝導速度と筋電図検査の実施手技、8)筋生検・神経生検の実施手技の経験としています。 

嚥下機能検査

神経内科研修の場

*神経内科研修の場

神経内科研修を希望する内科専修生は、大学病院、西部病院、多摩市立病院、東横病院で研修を行います。いずれの施設も神経内科専門医取得のための指定研修施設です。研修場所は、内科専修生の将来像を考慮して教授、医局長、研修センターで決定します。大学病院、西部病院、多摩市立病院では、指導医のもとで幅広い神経疾患の学習が可能です。東横病院は、脳卒中センターとして脳卒中の高度医療を提供しており、将来神経内科医、脳卒中医を目指す医師向きの研修先です。

病棟業務週間予定表
月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日 土曜
午前 入院紹介 入院紹介 入院紹介 抄読会
入院紹介
総嚥下カンファレンス
入院紹介
超音波検査
入院紹介
午後 診療班カンファレンス
電気生理学検査
診療班カンファレンス
超音波検査
病棟回診
嚥下機能検査
放射線検査
放射線カンファレンス
症例検討会
電気生理学検査
脳血管撮影

予定は代表的なもので、指導者や患者の病状により変更あり。(土曜は第一、第二土曜以外)

表1. 神経内科での検査件数(平成27年度)

頸動脈エコー
241件
経食道心エコー
57件
針筋電図
119件
誘発筋電図
110件
脳波
476件
神経伝導検査
317件
嚥下機能検査*
286件

*:内視鏡検査、嚥下造影検査を含む合計数